愛おしい


 

クリストファー・ネメスやジュディ・ブレイム、ジョン・ムーアにデイブ・ベイビー。House of beauty and cultureは自分の感覚に大きな影響をもたらした。が、伝聞でしかないし、コレクターでもない。その当時の空気感を体験した諸先輩方の話を聞きながら、自分の感覚に変換する。そうして文脈は受け継がれていくべきだと思っているし、コピーをしても仕方ない。リスペクトとマナーをわきまえながら、自分なりの消化を目指していきたい。


30年前に作られた、ハンド・ニット。プレーンな編み地の組み合わせ、けれどあまりにデカすぎる、というか、太すぎるというか。HOBACバイブスを感じずにいられないこのニットは、まさかの日本製。現代の日本でこのモンスターニットを作れる工場はほとんどないし、そもそも需要がない。僕を除いて。

ハンド・ニットの魅力に取り憑かれたのはいつからだろうか。リチャード・トリーのニットを見た時か、フランスの蚤の市で見つけたインディペンデントレーベルのカーディガンをランチを我慢してなけなしのお金で買った時か、Xiang Gaoが作るニットを着るようになってからか、定かではないが、取り憑かれている。

ウール100%。とにかくヘビー。このクオリティのジャンパー、しかも日本製、は二度と出会えないと思っている。着やすいとか着にくいとか、おしゃれとかおしゃれじゃないとかはわからないけれど、確かなパワーがある。とにかくこのどうしようもなく需要のない存在が愛おしい。





Heavy Wool Hand Knitted Jumper in 90's by Tokyo Designer

譲ってもらうとき、この30年前に作られたニットへの愛着で、ものすごく渋っていた。その顔が忘れられない。責任を持って、また違う誰かに渡さないといけない。シーズンも年代も文脈として意識はすれど、そのもの自体の価値には関係がないということを、改めて知らされた。


イタイ




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