親密な、それでいて凛

 





愛してやまないコートがある。スウェーデンで生まれ、スイス・ローザンヌで育ったのち、フランスでのクチュリエとしての修行やロンドンでの絵画の研究を経て、クリストファー・ネメスで経験を積み、現在は東京・御徒町にアトリエを構えている、デザイナーというよりは洋服職人と呼ぶべき彼が作ったコートだ。

天然繊維を好んで用い、着心地の面で徹底したリアリズムを追求しながら、ドレーピングを駆使して身体を拡張したような曲線的なシルエットはコンセプチュアルでロマンティック。20代ながら隔世の感がある彼は、パターンやサンプル製作、什器に至るまでのほとんどの工程を自ら行い、将来的には自身のハウスとして生産背景を持つことを目指していると以前語ってくれた。現在は日本を拠点に生産や生地製作も日本の背景で行っている。

初めて彼の洋服と出会った時、その表情に驚いた記憶がある。たとえ同じ職人、同じ素材を使ったとしても、日本で握る寿司とフランスで握る寿司に、その寿司が持つムードが異なることは想像できると思う。それと同様に、日本の生地を用いて、日本の職人が縫い上げたその洋服は、やはり日本的なムードが漂うものだ、良くも悪くも。彼の服にはそれが一切感じられなかった。

ニップ イン ジ エアーという箱を構想したのは、彼の洋服と出会ったからだと言っていい。スウェーデン生まれの彼が、ある意味日本的でない洋服を日本で作っているのだから、日本生まれの自分にもできることがあるのではないか、と。ニップ イン ジ エアーで製作しているアーガイル・ソックスはまさにそういう思いを込めて作った。





"Source" Coat - 背面に燕尾服を想起させるプリーツがまとう人を優雅にさせる。

"Villardin" Jacket  - 芯なしのダブルスーツはカーディガンのように軽やかな羽織。


グレーのブラッシュドウールを用いたロングコートとテーラードジャケット。アームは歪なカーブを見せ、可動域を確保しながら身体と衣服との関係性を強調する。裏地はコットンシルク。組下になるタックトラウザーもご用意があります。


洋服を選ぶことは人生を選ぶことであり、明日を楽しく生きる糧である。そんな当たり前のことを思い出させてくれる服です。


イタイ


オープンから関係者各位、貴重な時間を使ってご訪問いただき、誠にありがとうございました。1週間の招待制を経て、昨日より12/14(日)までの予約を解放しております。ご訪問の際はご希望の日時をお知らせください。

現在、11/28(金) ~ 12/14(日)の期間の予約を解放しております。ご訪問希望は、お日にち、お名前、人数、お電話番号を明記の上、InstagramのDMもしくはarigatou@nipintheair.comまでご連絡ください。住所は神宮前になります。ご連絡をいただいたのち、詳細な住所をお送りいたします。

どうぞよろしくお願い申し上げます。


親密な、それでいて凛